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人間性との出会い(1)

<乾いた愛でも>~モーツァルト  (2003年記の再掲載)

あの天使のような美しい曲を作ったモーツァルトはどんな人間性をしていたのでしょう。
映画「アマデウス」のような人間だったんでしょうか?

分別のない息子(アインシュタイン
永遠の小児、愚劣な生涯(小林秀雄

情熱的なモーツァルトの音楽愛好家であったお二人ですらこの評価。

ほかに、

★放浪癖
★借金だらけの浪費家
★社会に疎く、精神年齢が低い
★浮気性
★その他

ほんとうなんですか!

以下に海老沢敏氏の見解を紹介します。

本当のモーツァルトは残された書簡でしか知ることは出来ない。
しかし、
モーツァルトは旅に出ているときはこまめに手紙を書いたが、ザルツブルグに戻って家族と一緒の時は手紙を書くはずがないので資料が乏しい。
またウィーン時代は父の反対を押し切って独立したり、コンスタンツェと結婚したりで絶縁状態だったから手紙のやりとりも少ない。

従って、ニッセンやコンスタンツェの書いた「モーツァルト伝」は貴重であるが、参考程度にしたい。


と冷静に解説しております。
(ニッセンとはモーツァルトの死後、コンスタンツェと再婚した人)

ではいろんなエピソード、伝説はどうして残っているのでしょうか?

モーツァルトに関する著書

シュリヒテグロルの「モーツァルト」
モーツァルトを愛好する大学教授で最初にモーツァルトに関する著書を出しました。
彼は書くに当たって姉のナンネル、モーツァルトの最初の指導者とも言えるシャハトナー (トランペット、ヴァイオリン奏者)にモーツァルトに関する質問状を送り、その回答をもとに書いています。
これは信頼性は高いと思います。

モーツァルトの神童ぶりや、エピソードが伝えられたのはこの著書によります。
しかし、それはやはりモーツァルトの幼少期であり、成人してからのことはコンスタンツェに質問状を送っています。

本当は姉のナンネルにすべてを語ってもらいたいのですが、父に味方をするナンネルにとってもモーツァルトとは絶縁状態でした。
早くして母を亡くし、父の面倒を見てきたため婚期も遅れ、後妻となっています。
本当に仲のいい姉弟だったんですが・・・

結局、成人してからはコンスタンツェに聞くしかなかったようです。


ニッセン、コンスタンツェ
コンスタンツェはモーツァルトの死後すぐにニッセンと再婚します。
彼が「モーツァルト伝」を書き始めたのですが、彼も死亡し、コンスタンツェが完成しています。
なぜかコンスタンツェはモーツァルトの独身時代の書簡類も手に入れております。


他にも
いろいろな著書はあるのですが、ほとんど小断片的で、しかもシュリヒテグロル、ニッセン、コンスタンツェを元にしたものがほとんどです。


ということは・・・・
結局、妻であるはずのコンスタンツェなんですね。
モーツァルトの悪口を残したのは。
たとえそれが真実であったにしても死んだ自分の夫の悪口を書くってどうなんでしょうか。
よほどのことが無い限りそんな妻はいませんよね。
そう、よほどのことがあったんです。
それはまたのお楽しみに。

そしてアインシュタインも小林秀雄もそれを信じたのですね。

天使のような音楽を書く超越した天才が、普通の人生を送った人にも劣る分別の無い男で愚劣な生涯・・・・

だれでも飛びつきそうな格好のストーリーですね。


「人間性との出会い(2)」につづく


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